明日も歌う あなたのために




4ヶ月振りの、軽音部の部室。


狭い部屋ではないはずなのに、アンプやミキサーやスピーカーがたくさん置いてあるせいで、少し狭く感じる。


部室には既に1年生が居て、それぞれ自主練をしていたが、俺たちの姿を見て手を止める。



「あれ、高梨先輩めっちゃ久しぶりじゃないすか!?」


「うん。4ヶ月振り〜」


「先輩スラップ教えてください!」


正直なところ、1年生の顔と名前はほとんど一致してなくて、相手が誰だかも分からずに指導してる俺だけど、そうゆうのも理解して慕ってくれるんだから、みんなマジでいい後輩だ。


「ミナはすげぇよな、本業はボーカルなのにベースできるし」


そう呟いた龍に、相沢は「ギターもドラムもキーボードもな」と更に付け加えた。




当然だ。

音楽は唯一の俺の取得なんだから。




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