多分、姫。
認『……何?』
呼び止められてやっとこっちに目をやる。
―――ゾワッ。
な…なんだあの瞳……。
認の瞳は、氷のような冷たく醒めきった瞳だった。
宏喜『《何?》じゃねーよ。
聞こえなかったのか?』
認『聞こえてたよ。
学院巡りするんだろ?』
一期『うん!!
だから認も―――』
認『先帰ってっから。』
宏喜『……は?
ちょっと待てよ!!!』
再び歩き出した認を引き止めようと宏喜が認の腕を掴むが……
―――パシッ!!
認『先に帰る。』
もう一度こちらを見て……いや睨んで歩き出して帰って行った。