多分、姫。
奏『……っよし!!
ちょっと話そうぜ?』
親指を立てて、その親指を中庭の方に向けて、ついて来いというそぶりをする。
拒否権がない俺は、しぶしぶ女についていく。
―――……。
中庭に着くと、女は中庭のちょうど真ん中にある池の橋の冊に腰を下ろした。
奏『お前も座れよ。』
と自分の隣をポンポンと叩く。
その隣に俺が座れと?
……俺は、女の隣には座らず、人5人が余裕で座れるぐらいの間隔を空けて座った。
奏『そんな離れなくても、別に捕って喰おうって訳じゃねぇし(笑)』
ケラケラ笑い出す女。
俺には全く笑えない。
これでも近づいた方だ!!!
奏『てかお前、何しに台所来たんだ?
あ……もしかして、これ?』
持っていたミネラルウォーターのペットボトルを指す。
奏『ほらよ。
まだ残ってっから。』
と今度はそのペットボトルを俺に投げる。