多分、姫。



―――“《友達》をしっかり影でカバーしたり”


この言葉の意味を、全て理解出来なかった俺は首を傾げた。


影?カバー??


そんな俺を見兼ねてか、女は俺の方に体ごと向け、真っ直ぐ何のくすみのない女の瞳は、俺の瞳を捕らえた。


奏『“昔のことは俺達からは、言えない。
俺達じゃ言えない。

だけど……これだけ。
本当はいい奴だから……アイツ”。』


は?


奏『これは、宏喜。
そして、

“許してあげて?
嫌いにならないであげて?”。

これは、一期。


お前が先に帰った後、2人が俺に向けて言った言葉だよ。』


……2人が?


奏『お前、ずっとあんな態度だったのにそれでも周りはお前を何も言わないのかわかるか?
何故誰もお前を悪く言わないのかわかるか?




お前はずっと、アイツらに影でカバーしてもらってたんだよ。
守ってもらってたんだよ。』





< 121 / 201 >

この作品をシェア

pagetop