多分、姫。



―――……。



部屋に戻ると一期がスヤスヤ俺が出て行く前と同じように気持ち良さそうに寝ていた。


そんな一期を起こさないように、ゆっくり静かに隣に寝転ぶ。


一期『……んん……。』


少し眉間にシワを寄せて、小さく唸り声を出した。


やべ、起こしたか?


そんな心配をよそに、眉間のシワは無くなり、またスヤスヤと夢の中へ墜ちた一期。


そんな一期にまた笑みが零れる。


「いつもごめん。


……ありがとな。」


自然と口から出た言葉。


偽りのない素直なコイツに対する言葉。

もちろん、一期だけでなく宏喜にも言える言葉。


そんな言葉を聞いてか聞かずか、一期が微笑んだ気がした。





―――……。



何かが俺の中で変わり始める。

前までは、いつもどこかに“恐れ”があった気がするが、今はそんなものなんてない気がする。


殻を破ること……

全然恐くないなんていったら、嘘になるが……大丈夫。







俺にはもう“守ってくれる仲間”が3人もいるから。



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