多分、姫。
―――……。
奏『さぁ。ゲームスタートだ。』
奏チャンの声掛けから一斉に始まった、僕と奏チャンの“賭け”試合。
体育館には堅いバスケットボールの重い音と2人の息遣いと走る音とバッシュの音のみ。
……上手い。
男の僕に負けず劣らずのスピード、テクニック、力……。
どれを取っても凄い。
これが本当に“女”のバスケか?
結構自分のプレイに自信があったから簡単に勝てると思っていたが、なかなかシュートに持っていけないでいた。
まさに“互角”だった。
そんな中、僕のボールを奪おうとしている奏がいきなり、話かけてきた。
奏『……お前は、ずっと“嘘”笑顔で生きてきたのか?』
何?
まだコイツそんな余裕あるのか?
奏『っ……お前、息苦しくねぇのかよ?
“嘘”笑顔ばっかして、“裏”隠して。
辛くねぇのかよ?』