多分、姫。
「……奏チャン、随分余裕だね。」
奏『っハァハァ……余裕なんてねぇよ。
ただ聞きたいだけ。
そんな本当の自分隠して、息苦しくないのか。辛くないのか。』
《息苦しい》?《辛い》?
そんな感情、遠の昔になくなった。
奏『とくにお前、女の前では常に“嘘”笑顔だよな?
なんで本物の笑顔で答えてやらねぇんだよ!!
仮にも慕ってくれてるだろが!!!』
そんなもの……
「………無駄だからだよ(ボソッ)。」
奏『え?』
―――スポッ。
―――ダムダムダム………。
「いちいち本物の笑顔なんて振り撒いてたら、面倒なんだよ。」
あーあ。
言っちゃった。
奏『面倒って……。』
「わざわざ心から笑わなくても、アイツらは俺の“嘘”の笑顔は見抜けない。
所詮、そんなもんなんだ。
俺に近づく女の子達は。
そんな上辺しか見ない奴らに本物の笑顔なんて振り撒くだけ、無駄だろ。」