多分、姫。



さっき、自分がゴール入れて下に落ちたボールが調度、足の下まで転がってきた。


「さ、まだまだゲームは始まったばかりだよ?」


転がってきたボールを拾いながら、そう言うと、僕の言葉にただただ呆然としている奏チャンにボールを投げる。


「次は……奏チャンからだよ?」


―――まだ、終わらせないんだから。





次は、奏チャンからゲームが始まる。



奏『……お前…なんかあったのか……?』


ちっ。まだ話すのかよ?


「ん?なーにもないよ!!」


奏『けど“面倒”って……。』


「あぁ、全然気にしなくていいよ。」


奏『気にするよ!!!』


体育館に響く奏チャンの怒鳴り声。


奏『だってお前……“面倒”って欝陶しがるっていう顔より、“淋しい”って顔してる。』



“淋しい”……顔?





< 141 / 201 >

この作品をシェア

pagetop