多分、姫。
さっき、自分がゴール入れて下に落ちたボールが調度、足の下まで転がってきた。
「さ、まだまだゲームは始まったばかりだよ?」
転がってきたボールを拾いながら、そう言うと、僕の言葉にただただ呆然としている奏チャンにボールを投げる。
「次は……奏チャンからだよ?」
―――まだ、終わらせないんだから。
次は、奏チャンからゲームが始まる。
奏『……お前…なんかあったのか……?』
ちっ。まだ話すのかよ?
「ん?なーにもないよ!!」
奏『けど“面倒”って……。』
「あぁ、全然気にしなくていいよ。」
奏『気にするよ!!!』
体育館に響く奏チャンの怒鳴り声。
奏『だってお前……“面倒”って欝陶しがるっていう顔より、“淋しい”って顔してる。』
“淋しい”……顔?