多分、姫。



奏『きっと…宏喜達は、ちゃんとお前のことわかって一緒にいてくれてるんだろ?
それは、自分が……一期自身が一番知ってんじゃねーの?』


「……。」


奏『そんなさ……“利用する”とか淋しいこと言ってんなよ。
意地張って、壁作んな。
自分、追い込むなよ……。』


「………。」


奏『それに……表も裏もあっての“千歳 一期”だし。』



―――ドキッ。



奏『周りに……世間に流されんな。

一期は一期、だろ(ニカ)?』



あ。ヤバイ。


―――胸が苦しい。



「まだ、試合終わってなかったよね(ニコ)。」



―――でも、いやじゃない。


苦痛じゃないこの苦しみ。

甘い……痛み。



奏『あぁ……でも、俺言いたいこと―――』


「同点なんかで終わらせないよ。

中途半端な終わり方って僕、嫌いなの。」


奏『……そうだよな。
俺も、嫌いだった(ニコ)。』





< 149 / 201 >

この作品をシェア

pagetop