多分、姫。
++かなで++
―――トントン…。
誰かが俺の肩を叩きながら、俺の名前を呼ぶ。
一期『奏チャン?
学校もうすぐ着くよっ!!?起きて!!!』
「ん…。」
どうやら俺は、寝てしまってたみたいだ。
まぁ…昨日はあまり寝れなかったしな。
眠気が覚めないままぼんやり車の中から外の景色を見る。
ん?何だアレ?
俺の目線の先には、どこかの国の王宮みたいなドデカイ城のような建物がそびえ立っていた。
なんか…すっげ~。
庭にド派手な噴水なんかあるぜ?
宏喜『あれが、俺達の学校。
そして今日からは奏の学校である
滝井学院高等部の校舎だよ。』
マ ジ で ?
あれ学校なの??!
すげぇな……。
所詮、前は俺の家だけで経営していた学校。
さすがにここまで大きくはなかった。
そうしている内に車は学院の正門前へ到着。
一期『さっ、降りよ!!』
一期、宏喜、認の順番で先に降りて行く。
そして俺が降りる番。
すっと宏喜が手を差し延べる。
そんな好意で差し延べてくれた手を無下にすることは出来ず、嫌々ながらも俺は宏喜の手を取った。