多分、姫。



彼女は俺の顔を見てぽーっとしている。
大丈夫…か??


『あ……えっ!!!!!!!!????????』


次は大声。
耳が……(泣)。
君、やっぱ大丈夫かっ?


周りも彼女の大声でこちらを一斉に見る。
もちろんさっきまで3人のことを熱く語っていた女子生徒達も。


そんな注目される原因となった彼女は、意を決したかのように俺に問い掛けた。


『あ…あの……っ!!!
貴方……《男性》の方なんですか……!!!!!????』


「……え?」


言葉の続きに『信じられないんのですが』と言う彼女の心の声も聞こえてくるような気がした。

はぁ……俺ってそんなに《女》みてぇなのかな?

俺は当たり前かのように言ってみせる。


『そうですよ、《男》です。
やっぱり《男》には見えませんか…。』


シュン…となる。

ように見せる(笑)。


「あ…いえ!!!
いや……あまりにも綺麗すぎて、正直どちらかわかりませんでした。
すみません……。」


『謝らないでください。
《綺麗》ですか……全然綺麗じゃないですよ。
でも、お世辞でも嬉しいです。
ありがとう。』


なんて。
宏喜ならこういうだろなー。

女の子と話すなんて、滅多になかったから、どう喋ればいいのかわからなかったので、咄嗟に俺が思う、宏喜みたいな話し方で喋った。





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