川をわたるよ
おひめさまと王子さま
ふたりは、子どものころにはじめてであいました。

うつくしいベガにアルタイルは恋をして、いさましいアルタイルのすがたにベガは心をうばわれました。

まんげつのよる、ふたりはおやの目をぬすみ、小さな川でふたりであいました。
よぞらにほしがかがやき、あおいお月さまがふたりをやさしくてらしています。

ふたりはとてもすてきな時間を、すごしました。


それからまんげつの出るよるには、ベガとアルタイルはかならずあうようになりました。

ベガのおやである王さまは、むすめがよるにそとへでかけるのを、しんぱいしていました。
しかも、きまってまんげつのばんのこと。
これはなにかある、と王さまはベガのあとをおいました。

木にかくれながら、こっそりと、ひっそりと。
ふたつの国をわける川にたどりつき、王さまはハッとしました。
お月さまにてらされた、ふたりのすがたを、見てしまったのです。
< 2 / 6 >

この作品をシェア

pagetop