愛を込めて極北
黄昏にラブシーン
***
「滅私奉公、ご苦労なことね。日曜日だっていうのに」
「!」
背後から突然女性の声がして、私は飛び上がりそうになった。
「あなたは……」
リブラン社副社長・白井百合さんだ。
楠木の車もなかったし、自宅も人の気配もなかったため、もういないものだと思い込んで安心しきっていた。
まだいたんだ……。
「ほんとお疲れさま。せっかくの日曜日、いつもそうやって暁のために費やしてるってわけね」
「……今日はたまたま、当番だっただけです」
鉢合わせるくらいなら、やっぱり誰かに交替してもらい休めばよかった。
激しく後悔した。
今、他に事務所には誰もいない。
留守番中の私と、副社長二人きり……。
「暁は朝早くから、札幌市内の書店に打ち合わせに出かけて不在よ」
無意識のうちに楠木の姿を求めていた私を見透かすかのように、副社長はそう言い放った。
「私もついていく予定だったんだけど、一人で行くからまだ寝ててもいいって。……最近一晩中ずっと一緒だから、寝不足が続いていて」
二人の関係を示唆する言葉が出てきた途端。
私は耐え切れず顔を背けた。
「滅私奉公、ご苦労なことね。日曜日だっていうのに」
「!」
背後から突然女性の声がして、私は飛び上がりそうになった。
「あなたは……」
リブラン社副社長・白井百合さんだ。
楠木の車もなかったし、自宅も人の気配もなかったため、もういないものだと思い込んで安心しきっていた。
まだいたんだ……。
「ほんとお疲れさま。せっかくの日曜日、いつもそうやって暁のために費やしてるってわけね」
「……今日はたまたま、当番だっただけです」
鉢合わせるくらいなら、やっぱり誰かに交替してもらい休めばよかった。
激しく後悔した。
今、他に事務所には誰もいない。
留守番中の私と、副社長二人きり……。
「暁は朝早くから、札幌市内の書店に打ち合わせに出かけて不在よ」
無意識のうちに楠木の姿を求めていた私を見透かすかのように、副社長はそう言い放った。
「私もついていく予定だったんだけど、一人で行くからまだ寝ててもいいって。……最近一晩中ずっと一緒だから、寝不足が続いていて」
二人の関係を示唆する言葉が出てきた途端。
私は耐え切れず顔を背けた。