愛を込めて極北
 「明日の18時仕上がりとなりますので、この引換証持参の上、カウンターまでいらしてください」


 「よろしくお願いします」


 ある冬の初めの夕方。


 私は仕事帰り、自宅からそう遠くないスポーツショップに立ち寄っていた。


 テニスラケットのガットが昨晩のサークル活動中に切れてしまい、ガット張りを依頼するためにラケットを持参。


 ガットのテンションを指定し、店員にラケットを預け代金を支払い、引換証を手渡された。


 帰宅したら母が夕食を準備していてくれるので、今晩の晩ごはんは何かな、などと考えながら駐車場に向かっていた時のことだった。


 「極北写真展?」


 ふとエスカレーター降り口手前に貼られたポスターが目に入った。


 極北って北極地方のことかな?


 ちょっとした好奇心が膨らんだ。
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