愛を込めて極北
 「……」


 「ごめんなさい!!」


 ……響さんと桃ちゃんと私の三人で、秘密の冷却場所からチョコレートを運んできた。


 そしてチョコレートを分割し、男性参加者とスタッフ全員に配布。


 「ここでチョコもらえるとは思ってなかったよ」


 響さんと桃ちゃん作成のチョコもらった男性陣は、一様にご満悦。


 問題は私が作った分。


 不運にして楠木をはじめとする、中心的メンバー分となってしまい……。


 しかも出来が……冷却場所に取りに行ってびっくり。


 元の板チョコよりも薄い、マウスパッドくらいの薄さの物質へと化していた。


 生チョコには到底見えそうもない。


 他の二人と同じ手順で作成したはずなのに、どうしてこうも出来が違うのだろう?


 「これ……海苔??」


 私から自称チョコを渡された時の楠木の表情は、まさに目が点そのものだった。


 チョコだと説明を受けないと、誰もチョコだとは分からないかもしれない。


 出来栄えを見た時恥ずかしくて、そのまま廃棄してしまおうかとも思ったのだけど、響さんと桃ちゃんに急かされてそのまま連れてこられ、よりにもよってメインメンバーに提供する羽目に。
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