仁と私のストーリー
私という存在価値の意味…積重ねたモノが崩れ壊れていく… 仁と私のストーリー⑮
別れた… 。 別れた…。

仁との人生に挫折してしまった。
ここ最近の喧嘩はかなり荒れていた。
私が他に男を作っている疑惑や、仁との昔の彼女(たまたま私の知ってる友達)との浮気疑惑やら2人だけの感情の問題では済まなくなり、ボロボロの状態。

私はワガママなのだろうか…。

仁に気持ちの余裕が無くなってるのか私の対応や、約束事の予定まで頭に入らなくなった。
今まで通り、仁が出かける前の支度の補助や、頼み事まで横柄になり口調がきつくなった。

『俺の準備手伝えよ。時間がないんやで💢』

「チョット待ってよ💢」
「時間がないってあんたがチンタラして好きな事をやってたんやんか💢」
「それをなあたかも私が動かんで遅れとるみたいな感じに言わんといてよ💢」
「さっきから私は準備を手伝えるように待ってるやんか💢」

『ゴチャゴチャ言うから進んでいかんのやないかっ💢』
『仕事の時ばっかりゴタゴタいいやがって💢』

いつもそう…。

このセリフを言うのは仁で
セリフを言うきっかけを作るのも仁…。

仁の嫌な所を1つ言うならかなりの勝手者だと思う。

凌ぎにかかる時間は分かってるのに、思い立った事の予定をパンパンにいれて、やり終わらないと気が済まない。
自分ではこなせるつもりで動いても完璧にはならない。

当然時間が迫ってくる。

私も勿論、仁のサイクルを一緒に行動する。

『お前は何もしてへんで楽やないか』
『少しは動け』
『使えやんな。普段は何もしてくれやんのやでこれぐらいセーよ』

いくら喧嘩して言い合いになっても、流せる言葉とそうでない言葉がある。

使えやん…?
何もしてへん…?
楽でいい…?

そんな目線で私をみてたん?

極力仁のサイクルで、仁と同じ行動をして負担を減らしてあげられればと思って共にしてるのにその言い方は流せなかった。

家政婦じゃない?!

便利屋じゃない?!

共存共栄…。

生涯共にするパートナーだから…。

気持ちが1つにならない…。

不満、嫌な所、勝手な言い分…。

気がついたらお互いに自分の事ばかり主張するようになった。

限界で心が壊れた。

声が枯れるくらいの勢いで仁に暴言を吐いて別れた…。

家に着いて仁と別れた事が悲しくて夜中だったけどたまらなくなり、気がついたらけいちゃんに泣きながら電話してた。

「けいちゃん…別れてしもた…。頭のなかメチャクチャになってしもて、酷い言葉を仁に投げつけていっぱい傷つけてしもた。」
「家に帰ってきて、1人になったら仁の事ばかり頭に浮かんで、好きやのにどうしても譲れやん事があって…」
「それを分かってくれんかったら、これから先もずっと嫌な思いするから引かれへんかった」

泣きべそをかくくらい泣いたのはどれくらいぶりだろう?

けいちゃんは黙って聞いてくれた。

『りょうちゃんの気持ちはすごく分かるよ。私もそれはあるもん』

けいちゃんは聞き上手だなと感じた。
けいちゃんの聞き方は素直な気持ちが自然に話せて安心できた。

「こんなに仁が大事な存在になってるなんて今になって分かってしもた」

『仁丹さんもりょうちゃんの存在は大きいと思うから戻ってくると思うよ』

けいちゃんの言葉に私は救われた気がした。

けいちゃんは仁の先輩を私が紹介して交際してたけど、ここも一筋縄ではいかず、次から次にぶつかる問題に挫折していた状況だった。

「けいちゃんも大変な時期やのにごめんね…」

『りょうちゃんから久しぶりの電話で嬉しかった』
『私で力になれないけど、それでも良ければ話は聞くよ』
『私は、りょうちゃんの事友達だと思ってるし、りょうちゃんは思ってないかもしれないけど、友達だと思って欲しいし、りょうちゃんの性格は好きだから…』
『それに私は、何度もお世話になってるし、何度も救われたから…』

けいちゃん…。

あの日、あの時間に対応してくれた事はどんなに安心感が生まれたかわからないよ。

私こそ救われた…。

あの日のけいちゃんの優しさは今でも、これからも忘れない…。

けいちゃん…。

もし、この先悩みや、哀しみに遭遇した時は私がけいちゃんの力になりたい。

心から思ってる…。
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