仁と私のストーリー
確率の運命だから特別だった… 笑顔が消える瞬間… 仁と私のストーリー⑱
2016年4月…。

仁と2度目の誕生日を迎えようと、今年もカウントダウン…。

後…5日…。 …後…2日…。
今年の誕生日は喧嘩でギクシャクしている2人の関係性にリセット…。
笑いの日々になるように、気持ちを改めて歩んで行こうと思い、仁に伝えたかったことがあった。

後…1日…。

27日は午前中は何も起きなかった。

だけど、ここの2.3日は予定があったけど仁の調子が悪かったので詰まってた。
だからこの日に予定をパンパンに詰めた…。

私は頭の中で

今日は仁と行動を共にしたくない…。

拒否反応が起きた。
もうこの時点で精神面が現界だった。

「ちょっとしか寝てないからそんなにこなせへん」
「私は今日は無理っ」

『何でやっ!昨日の予定ができへんだで溜まってるやないか⁉』

「実家にお金も渡しにいかなあかんから付き合えんよ」

『1人で行くからええよ…』

仁は半分不貞腐れて了承した。

もう私は予定がスムーズに行かなくて、苛立つ声も言葉も聞きたくない…。

仁の苛立ちの矛先が必ず私に向かってくる…。

それを分かった上でついて行く…。

もう…そんな気力…残っていない…。

予定を朝からこなす段取りなのに行こうとしない。
仁の電話から着信が入る…。

仁と仲の良い知人からかかってきた。
話が弾んでいるようで長電話している。
夕方、名古屋で合流する約束をとりつけた。
会話を意識して聞いているわけじゃないけど、スピーカーにして話しているのでわたしにも2人の会話は聞こえる。
何の話の下りかはわからないが、私の耳が反応した。

《仁丹はええやんか…》
《良子ちゃんは一途で仁丹だけだし、仁丹の事きちんと考えて男を立てれる子やからええ子だわ》

「はっ?良子は男を立てれへんよ」
「そういう事できやん奴やで」

《そんな事ないよ。この間も仁丹の事立てていうてたよ》

「何て言うてたん?」

《それは教えんよ。内緒…。でもきちんと立ててたよ》

仁の返答はショックだった。

知人に私をけなす事を言って欲しくなかった。
確かに仁を立てる事までできてないかもしれない。
仁にとったら出来が悪いと思う。
でも、私は仁との関係が上手くいかないのに外で起点を効かせて臨機応変は無理っ!
そんなに器用だったら悩んでないよ。
けれど、仁の知人の言葉は嬉しかった。
結局、時間が遅くなり実家に行く予定を組んでくれる事で結局私も行く事になった。

最終的に仁の顔を見ると Yes と答えていた。

今日絶対に済ませたい予定は、岐阜県に行く事。
遠方なので中々行けなかったから、どうしても今日は済ませたい。
最初は、事故した車の修理が出来上がったので取りにいった。
だけど、仕上がった車の状態が思う出来ではなかったのでもう一度修理に出す事になった。
車に関してはこだわりがあるので完璧にする。
車屋さんでつまづいた。
予定より時間がかかってしまって仁が焦りだした。

『岐阜の住所調べてっ💢』

「何店?」

『〇〇!』

「そこは載ってないけど、南店じゃない?」

『違うっ!💢〇〇やっちゅうの💢』

「ないみたいなんやけど…」

………。………。

『もしもし?』
『あのさ…。岐阜のあの店って何店やった?』
『うん…。南店なんかなぁ?』

はっ?……?!

仁のとった行動が信じれなかった。

私が携帯のインターネット上で調べて〇〇店がないから焦っているのに、仁は私を放置するかのように岐阜の女の知人に電話で尋ねている…。
私が南店じゃないの?
って聞いた時は怒りながら否定していたのに、知人に同じ事言われてそうかもしれへんなぁ~と納得している。

私の立場と扱いがひどすぎる…。

まただ…。

信用されてない…。

「ちょっとっ‼💢ばかにしてんの?💢」

『何でやっ!』

「一生懸命、言うてる店舗ないから探しまくってんのに人に聞くなら最初から調べてって言わんといてっ‼」
「結局信用してないんやんかっ‼」

私はこの事がきっかけでこの後は仁と話す事を夕方まで出来なかった。

仁は段取りが思うように進まない事にイライラしてたけど、私が怒っているのが分かっているから自分のイライラを抑えているのが伝わった。
大体こういう日は会話がないので、仁は知人達に電話を掛けまくる。

夕方近くになって雰囲気を変えようと話すタイミングを仁に委ねる。

そういうタイミングは私と仁はばっちりで上手く伝わるので徐々に和んでくる。

この雰囲気で明日の誕生日を迎えたいと願いをかけた。

夕方の知人との待ち合わせが夜遅くに変更になった為、一度家に戻り支度し直してから再出発となった。

「だったら実家に寄るのは待ち合わせの前に寄ってくれたらいいよ」

一旦、帰宅…。

『身体がしんどいな。もう、今日は会わんでもええやろ?』

「それやったら早く決めてくれんと、実家は…?」

『………。』「……。」

「もういいわ…💢」
「シャワー浴びたらいってくるわ💢」

いつもそう…。

私の予定は後回しになるので、忘れられてるか、その日にはできない…。

だから、自分の用事は自分でこなすべきだといつも後になって思う。

28日になるまで後30分…。

仁は自分の部屋で思うように過ごしていた。
2人の間に沈黙がひたすら続く…。

12時回った…。

携帯のLINEに友達からハッピーバースデーのコメントが1件…2件と届く…。

仁の電話から着信音…。仁はでない…。

そのすぐに私の電話からも着信音が鳴る…。

着信相手は仁の舎弟からだった。

『姐~。誕生日おめでとう!』

「ありがとう」

『兄貴に電話いれたんやけど、きちんと一緒に居てる?』

「うん。多分横になってるよ」

『それなら良かった…。』

ずっと仲が良くない事を知っているので気にかけてくれていた。
そろそろ実家に向かわないと親が寝付いてしまう。

仁の部屋を覗いた。

「仁…そろそろいってくるわ…。」

仁は目を瞑って横になっている。
でも、私は起きている事を知ってるよ。


家を出て実家に向かう道中に仁から着信…。

眠くてカバンから電話を出す気力がない。
2回連続で鳴ったけど、電話を取り出せなかった。
コンビニで止まり、電話を取り出し仁にかける…。

だけど何も言わない…。

眠くてイライラしてきた私は

「何かしゃべってよっ‼💢」

電話から車で走ってる音が聞こえる。

『男と待ち合わせしてでれんかったんか⁉』

「はっ?実家に向かってるんやけどっ‼💢」

『メールがいっぱい鳴ってたやろ⁉💢』

「鳴ってたよ。💢誕生日のコメントで友達からいっぱいねっ‼💢」

『俺は家をでた』

「何の為に⁉💢」

仁は私の行動に完全に勘違いをしている。

何で誕生日迎えた日に他の男?

仁の考えてる事が理解できない…。

また、私の話聞いてなかったの?

実家に行くっていったよね?

私はこういうゴタゴタがあると自分の事が全てできなくなる。
仁は多分、私が何もかもできなくなる事は知らないと思う。

途中で家に戻る…。

ホンマや…。

家に居らんやん…。

着替えもないやん…。

気力をなくして電話を握りしめたまま眠りについてしまった。


目を覚ましたのは28日の夜だった…。
着信が44件…。

ほとんど仁から…。

もう誕生日終わるよ…。

仁は私と過ごせなくて平気みたいだね…。

【♪今年は絶対プレゼントを誕生日までに買って…♪】

【♪2人の和む時間が中々ないから、誕生日は2人で過ごして…♪】

母に
【♪「その年で誕生日を楽しみにしてるん?」
一言ツッコまれる程、だいぶ前から
誕生日をカウントダウンして…♪】

バカだ…。
1人ではりきって…。
誕生日を子供のように楽しみにして…。

大声で泣いた…。

切なすぎて感情が全部とんだ…。
メールを確認した。

《愛してます…》

《良子が居ないとやっぱりダメだよ…》

《何処にいるの…?》

どうして?

私は家にいるじゃん!
「何それ?」

仁はそれを知ってる…。
知っててどうしてこんなメール打てるの?

家出したまま帰って来ようとしないのは仁…。今日は何か言えない予定でもあったの?

2人の誕生日は最低の日になった。

誕生日や2人のイベントになるような事はもう期待しない…。

仁の気持ちが益々わからなくなった…。

けれど、確かめる事を私は諦めてしまった。
仁と付き合う前は自分の誕生日は嫌な記憶を思い出すから来て欲しくなかった。
けれど、仁に出会って同じ誕生日だと知って楽しみに変わってからは過去を思い出さなかった。

けど、今年はまた大泣き…。

過去に大泣きした誕生日を思いだしてしまい多少パニックになった。

もう、誕生日はいらない…。

今年の誕生日は仁の舎弟に食事をごちそうになった。
気持ちが少し落ち着いた…。

舎弟…ありがとう…。
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