仁と私のストーリー
純粋に愛したいだけなのに…ただ原点に戻たい… 仁と私のストーリー⑳
仁…。
この本をかきながら私は1人でも多くの人達に読んで貰えるように、共感できるような事柄を内容にしようと最初は思った。
けれど、書き始めていくうちに…
仁が伝えてくれた言葉…。
暴言を吐いて口論になった事…。
仁が私の為にしてくれた行動…。
1つ1つが私の心と頭の中にはっきり覚えている事。
この事が私の…。
仁を愛する形…。
色々あった中でどれも全て鮮明に覚えてる。
だからこの本は私が仁に私の全てを伝えたいと言う思いで書いたよ。
山口組が昨年分裂し、裏切りの連続や、仲間が去った涙の場面や、仁1人だけでは背負う事が出来ないくらい涙してたよね。
しばらくは組に身を尽くし、家に帰ってこれなかった。
私も外出の規制を仁に出された。
外出する度電話を繋げて見守ってくれた。
会えない寂しさを電話で埋めてくれた。
別々の生活の中、私の生活を考えてくれた。
たまに会える時に生活費、困っている事、全て満たしてくれた。
私が会えない寂しさで、仁を困らせる事をいっぱい言ったのに、仁はいつものように口論する訳ではなく、私を宥めて落ちつかせてくれた。
帰ってきた時も穏やかに口論なく過ごしてくれた。
「こんな時に戻りたいわ…」
私が言うと、仁は何も言わず答えなかった。
今の2人が穏やかに過ごせない理由が私は分かっている気がする。
2人の気持ちに愛情はあると思う。
けれど、口論が多すぎて相手と話す行為や、日常での出来事、悩みや相談ができる空間をなくしてしまったんだと思う。
最終的には相手の不満まで目に付くようになってきた。
仁は私に嘘まで重ねるようになった。
こんなに真っ直ぐすぎる2人なのに…。
1つ1つ壊れていってる事に私は気づいているがもうどうする事もできない。