仁と私のストーリー
最初のとまどい…仁と私のストーリー③
仁との付き合いは最初から悲惨だった。
私が泊まり込みの仕事のため、誤解が生じたり何せ彼は心配症だった。
私が言ってる事や現状を説明しても一度では中々信じてもらえず、口論ばかりの日々で、上手くいかない事が 悩みの種だった。

一言で言えば合わないって思った。

先行きが不安に思ったし、最初からつまづくくらいならここで終わろうと思った。
でも、そういう事にもならず口論は激しくなった。
こんな喧嘩ばかりの状況は今までになかったから、口論さえもしんどかった。
仁の場合は喧嘩の中でも疑いや思い込みが激しく、私が伝えてる事実は受け止めない。
知り合いや友人、前の彼女達の吹き込みや、誤情報ばかりを優先して話を信じる。
だから、私がそこはとかそれは違うと訴えて鎮めようとしても全く信じてもらえない。
こんな事の繰り返し…。
正直先に進まない口論に頭を悩ませた。

時間を起き、掛かってくる電話もメールもシカトした。
言葉がきつくなり、眉間にシワを寄せている自分の顔つきが嫌になった。
ちょっと一息おいて向き合うしか手段がなかったから自己判断でシカトを続けた。

『良子…声が聞きたい…俺が悪かった…』
『連絡待っとる…』

仁の反省の言葉…。

私と同じ気持ちになってくれた…。

すぐに連絡した。
仁は優しい声で私を招いてくれた。
私は

「会える?すぐそっちに行くから…」

優しい仁の言葉と気持ちが私には愛しくてたまらなかった。

仁の優しい言葉は私の心を温かくしてくれる。

仁の気持ちは私の存在を居心地良くしてくれる 。

私の大好きな空間だった。

喧嘩さえなければ私は誰よりも一番愛される幸せな女だと本気で思えた。
この思いがいつまで続くのだろうとこの時は思っていたけど、振り返っている今の私の気持ちは全く変わらず今でも仁を
愛して愛して病まない。
< 3 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop