short story

最初のウソ

中学2年の春、部活を終え2人でいつものように帰っている途中突然彼は言い出した。

「俺、引越しするねん。東京に。」

「え?なんで?」
突然のことで状況が掴めなかった。

「親の転勤や。来月にはおらんくなる。」

「いやや…そんなんいや!」
涙目になりながら叫んでしまった。

涙越しに見えたのは彼の小馬鹿にした笑い顔だった。
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