レンタル彼女の愛し方
「うわ、本気モード」
「今日は特別な夜になるよ」
「…あんたのお葬式の手配しとくわ」
「酷いなぁ。刺されたりしないって」
ただの呑み会にしては気合いの入っている私に、楓は怪訝な表情を浮かべる。
「営業課長狙うの、本気?」
「当然」
カッコいいから、なんてそんな生ぬるい理由じゃない。
彼に今の私を見せてやるんだ。それはもう、徹底的に。
会場に着けば、もう大体の人たちが集まっていた。
最初の段階では、それぞれの部署でなんとなく固まって座っている。
「カンパーイ!」
乾杯の合図がなってから30分も経てば、そろそろ場内の温度が上がってきた。