レンタル彼女の愛し方



「うわ、本気モード」

「今日は特別な夜になるよ」

「…あんたのお葬式の手配しとくわ」

「酷いなぁ。刺されたりしないって」


ただの呑み会にしては気合いの入っている私に、楓は怪訝な表情を浮かべる。



「営業課長狙うの、本気?」

「当然」


カッコいいから、なんてそんな生ぬるい理由じゃない。


彼に今の私を見せてやるんだ。それはもう、徹底的に。




会場に着けば、もう大体の人たちが集まっていた。


最初の段階では、それぞれの部署でなんとなく固まって座っている。



「カンパーイ!」


乾杯の合図がなってから30分も経てば、そろそろ場内の温度が上がってきた。




< 30 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop