レンタル彼女の愛し方
「じゃあ、私がアキのご飯になる?」
だから私も冗談で返してみた。
実は少し、本気混じりだったり。
アキだって私の遊び相手の1人だ。関係だってそれなりにある。
別にこういう話になるのはよくあるし、不思議でもなんでもない。
なのに。
「…冗談。朝飯作っててやるから、一旦部屋戻ってシャワー浴びてこい」
アキは、私に触れようとはしなかった。
「アキ?」
「…凛、昨日稼いで来ただろ。他の男の匂いする。結構強いから、代金は2万円ってとこ?」
「………」
匂いにだけは敏感なアキ。
匂いの強さだけで、私がどれだけの時間男と過ごしたかを当てられるその嗅覚は、最早犬並みかもしれない。
「何回も言ってるだろ?俺は俺以外の男の匂いがする凛を抱く気はない。ほら、早くシャワー浴びてきなよ」
そう言われながら背中を押され、私は部屋から追い出された。