レンタル彼女の愛し方
「…ケチ」
軽く悪態を突きながらも、アキの作ったご飯が食べたい私は仕方なくシャワーを浴びに自分の部屋へ帰る。
ちゃんと頭も体も綺麗に洗って風呂場を出た。
部屋着に着替えて、胸まである髪の毛をきちんと乾かす。
髪もちゃんと乾かさないとアキに怒られるから。
今日は一日中外には行かず家でまったりする予定だから、化粧はしないでリップだけ。
「よし」
準備が整った私は、再び2つ隣のアキの部屋へ向かった。
ドアを開けた瞬間、お味噌のいい香りがふんわりと漂ってくる。
やった、今日の朝ご飯は和食だ。
「アーキっ!」
「うわっ、びっくりしたー…」
キッチンにひょっこりと顔を出せば、案の定アキがいい反応をしてくれた。
「凛、ちゃんと髪乾かした?」
かと思えば、またいつものように私の髪の毛を気にする。
「もうー、またそれ?ちゃんと乾かしてるって。しつこい美容師さんは嫌われるよー?」
「しつこいのは凛が俺の言うこと聞かないからだろ?」
そんなことを言いながらも「でも今日はちゃんと乾かしてるな」なんて満足気に笑うアキ。