ようこそ!!青蘭高校へ!!
えっと…















なぜこのような体勢になっているのでしょうか… ?



説明するとですね… 誰かさんの両腕が私の顔の近くにあります。



覆いかぶさるように、奴が上にいるんです…



か…




顔が近い…




「… 何で黙ってる?」



何でって…



体が金縛りのように動かない…



いや、動けない…



「はは… 」



なぜか半笑い…



「突き飛ばしてると思うのに」



確かにそうだけど、脳が体に命令しないんだもん…










シャッ…





え?





「うわっ!!何やってんの!?」



!!




森ちゃん先輩!!



カーテンが開くと大森 裕介先輩登場!!



「何って… メイクラブ?」



へ?



「嘘!?もう そんな関係!?知り合ったばっかなのに!?」



そんな関係??どんな関係??



何?メイクラブって??



って、森ちゃん先輩 顔 真っ赤かだぁ…



白い肌がピンク色に染まっていた。



「森、嘘に決まってんだろ、誰がこんなお子様相手にするかよ」



お子様だぁ!?



でも、藤崎は私から笑いながら退いた。



はぁ~… ドッとなんか疲れた…



「なんだ… 嘘か、良かった… 」



私も良かった、森ちゃん先輩が来てくれて。



何もなくて良かった…



「それより、何かあったか?」

「あ、一樹が早く学校祭の出し物をアンケート取れって。あと今年のコンセプトも決めろって」



学校祭?



入ってすぐやるんだ… へぇ…



「え?もう?早くないか?」



そうなの??



「俺らが卒業だから早めに準備するらしいよ。沙良ちゃんたちに早めに引き継ぎたいんじゃない?」



引き継ぐ??



「ちょっと待ってよ、引き継ぐって1年だけじゃないの!?」



2人が無言で首を横に振った。



「んなわけないだろ、どっちかが次の生徒会長だよ」



!?!?!?



「せ!?生徒会長!?な!?何で!?」



嘘っ!?



「代々 そうしてきたから」



代々って…



森ちゃん先輩 めちゃ笑顔で言わないでよ!!



「嘘でしょう… 」



本当に飛んでもないことになってきちゃった…



「じゃあ、沙良 行くぞ」



腕をしっかり握られ 生徒会室へ。




廉耶はすでに来ていて心配そうに私を撫でた。



「大丈夫か?倒れたって… 」



さらにおでこも触って 体温を確認していた。



「大丈夫… それより大変かもこの仕事。この人たちがいなくなったら、私か廉耶が生徒会長らしいよ、どうする?」


「ああ、聴いた… 俺、まとめるって感じじゃないから お前に任すわ」



へ?




「はぁ~~!?!?」


「ちょっと何言ってるのよ!ズルいよ!それ!!」



ポカポカと廉耶を小突いた。



「いてて、ぜってぇお前のが向いてるって」



まだ言うか!!



「おい」



ん!?



「何よ!藤崎!」


「また切れてる… メシ足りなかったか?」



カチーーン☆



「ほっといてくれる?話してんだから」


「沙良、藤先輩、生徒会長」



カチン☆!!



「いいの!!こんな奴なんか!!」








「どういう躾されてんだ、まったく… 」

「あなたには関係ありません!!」














「藤にあれだけ言う女 なかなかいないよな、つか 初じゃないか?」



ぼそりと聴こえたみつ先輩の声。



「良いんじゃない?俺、勢いある子好きだよ~♪」



勢い??


私のどこが勢いあるのよ… 森ちゃん先輩ってば…



「まぁいい… 沙良、今日中に去年の資料を基に学校祭のアンケート用紙作れ」


「はぁ!?今日中!?私が!?」



なぜ私が!?



「7時までって時間ないじゃない!?」


「あ、7時じゃないぞ、6時だ」



え?



「お前のメット買いに行かなくちゃいけないから」



私のメット…




ヘルメット!?




あ!そう言えば言ってた… 昨日…



『… わかったよ、明日買いに行くか』 って。



もう… やらないとダメな気がしてきた…



だって 廉耶も割り切って手伝ってるし。



お母さんの言葉が急に蘇った。



『沙良はもっと違うこと勉強した方が良いと思ったからよ』



もっと違うこと…



それが何かはわからない。



でも、私にも出来ることがあるって言うならやってみてもいいかな?



藤崎はムカつくけどね。



私は、藤崎に言われた仕事を昼休み返上で取り組んだ。




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