ようこそ!!青蘭高校へ!!

慣れた生徒会(10話)

いつも通りな朝が来る。



青蘭高校に入って1週間経った。



最初は嫌がってた生徒会の仕事も微妙に慣れつつあった。



藤崎が毎日に朝ご飯を食べ、送り迎えをしてくれたからかもしれない。



これが普通なのかも?と5日目には思うようになっていた。



心地良いわけではないけど、脳が麻痺したのか慣れ始めていた。




「はぁ… えっと… 次の授業は… 」



美術だよね…



「ねぇ」



ん?



… え?



「あの、芦田さん」



声を掛けてきたのは、クラスの女子。


それも毎日きゃぴきゃぴ楽しそうな女の子3人組。


似たような感じで、実は見分けがつかない。



「何?どうしたの?」



あまり関わり合いになりたくないけど…


あからさまに邪険にするのは… クラスメイトとしてダメよね。


差し障りないように返事をした。



「太輔先輩と仲良いよね」



は?



仲が良い??



どこがよ??



「羨ましくていいなぁって いつも思ってたんだ」



羨ましい…



一体 どこがどの辺のことだろう… ?



毎日 毎日 こき使われてさ、嫌味言われてさ!!


皆は、きっとそんなことなんかないって思ってるんだろうな…


逆にアイツのことを良く見えるのが羨ましいよ。


辞めたくてしょうがないのに…



「別に仲良くなんかないよ、普通」



藤崎のイメージを悪く言ったところで絶対に信じてくれないから言わない。

言いそうになるから彼女たちから視線を離し、美術の教科書に目を向けた。



「そうなの?見てると楽しそうだからさ」



そう見えるんだ…



「で?何?」


「あ、でね!!」



何?すごい勢いなんだけど… ?



「生徒会行ってもいい?」



へ?









はぁ?



「手伝うよ」




手伝う?



「手伝うって… 、それは… 」

「いいんじゃね?雑用ばっかあるし」



!?



はぁ!?廉耶!?



「何言ってるの?そんなの聞いてみないと!!」

「きゃーー!!廉耶君!ありがと!!」



えええええーーーー!!!!



3人組はキャアキャア言いながら教室を出て行ってしまった。













「知らないよ、私… 」

「あんな子たち連れてって怒られても」



廉耶は笑ってるだけで全然悪いと思ってない。



困った奴…



「手伝ってくれるなら 早く終わるだろ」



え?



「お前が少しでも楽になればいいなって思っただけだよ」







「使えるものは使っとけ。意外と役に立つかもしれないから」






廉耶は、私を撫でると教室を出て行った。




私の為… ?







廉耶はいつも私を助けてくれる。


幼き頃から支えて励ましてくれる…


陽気で元気で、間違ったことは違うと言ってくれる頼れる存在でお兄ちゃんみたいな幼なじみ。


でも、いつの頃か ある事がだらしなくなってきて… そこがなんだか嫌。



それは…



廉耶は、すごくモテる。


顔もそうだけど、藤崎やみつ先輩、森ちゃん先輩にも負けないくらいのルックス。


すごくかっこいいけど 腑に落ちない。



なぜならば…



「何であんなに軽くなちゃったんだか… 」



軽くてお調子者の廉耶。


何人もの彼女がいて全員と器用に付き合ってる。


その辺はすごいと思うけど、本当にそれでいいの?って疑問になる。



誰にも本気にならない…



なぜなのかな?








「何?じっと見て??」



次の授業が始まって 廉耶を観察してたら気づかれてしまった。







「いや、何でそんなに恋愛バカなのかなぁと… 」



廉耶の彼女たちはいいのかな?



悪い奴ではないけど… 私だったら…



「失礼な奴だな… 恋愛したことのない奴に言われたくないね」







「してみれば?恋愛」


「俺の気持ちがわかるよ」




恋愛…









してみたいよ… 私だって…









「あ… 」




そうだ…




できるじゃない… 恋愛。




この青蘭高校に入った理由。




「わかった、してみる… 」

「え?」




会いに行こう…




憧れのあの先輩に。







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