ようこそ!!青蘭高校へ!!
★ 裕介・side ★


入学式の日、初めて沙良ちゃんに会った。



その日、俺は新入生を講堂に案内する係りだった。



そんな新入生で遅れてきたのが沙良ちゃんと廉耶だ。



今でも鮮明に思い出す 桜の並木道にたたずむ姿。



長い髪がサラサラと揺れて とても綺麗…



まるで映画のワンシーンの様だった。




俺は、声を掛けようと近づいた時、聴こえてきた元気な声。




「おーーい!!沙良ーーーー!!」



大きな声でその子の名を呼んだ。



なんだ… 彼氏がいたんだ…



ショックだった…



でも、やっぱり気になっていた。



入学式が始まり、初めて沙良ちゃんたちが仲間になる子たちだと知った。


嬉しかった… 運命だと思った。


彼氏だと思っていた廉耶は、ただの幼なじみらしい。


またまた 嬉しい♪



沙良ちゃんは、俺のことを『森ちゃん先輩』と呼ぶ。


呼ばれるたびに嬉しくて どんどん好きになる。



沙良ちゃんは、綺麗だ。



スラッとしてて 栗色の髪が長くて綺麗。手足も長くてスタイルも抜群。


色も白くて、唇ピンク。


胸もDくらいで… そこは男として… ね?照れる…


とくかく、俺の中では第一位!!


もう こんなにドキドキする子って 俺の今までの人生でいた?


いや、いなーーーい!!



でもさ…



仲良くはなったよ、すごくね…



でも、俺を見てくれないんだよね、彼女ってば。


さらにショックなことに、沙良ちゃんは『神崎 翔輝』が好きらしい。



最悪だーーーー!!



神崎なんてーーーーーー!!



あんな最低野郎に渡してなるもんかーーー!!



『俺が守る』と心に決めた。















でも、まだ気になることがあるんだ… 聞いてくれる?


それは、藤のこと。



藤ってさ、今まで女の子に対して あんな態度を取ったことないんだよね…


男の俺たちもそうだけど、どこか一歩引いて接してる感じ。



優しいんだよ、誰にでも優しい… でも何か違うんだよね、その優しさ。



一歩遠ざける… 深くは関わらないようにしてる感じ。



誰にも寄せ付けないだよね、藤って。



でも、最近は…



「ねぇ!藤崎!どうかな?」



ほら、見て?



今までだったら女の子を側に寄せ付けなかったんだよ?


なのに、沙良ちゃんが近づいても怒りはするけど、邪険にしない。


沙良ちゃんも最初は藤のことを毛嫌いしていたのに…



仲良くなってる気がする。



今もね…



「ねぇねぇ、藤崎ってば!!」



カウンターから乗り出して 聞いてる。


それもすごく可愛い笑顔で。



なのに藤ってば…



「… まだ 食べてないって」


「早く食べてよ!ねぇねぇ!どうかな?」



食べてやれよ… さっさと!!



「美味いよ… 」


「やったぁ~!!えへへへ~♪」



可愛い…



マジで可愛いわ… 沙良ちゃん。



「森、ヨダレ出てるぞ」



へ?



「お前 どっちが食べたいの?… ったく」



ぎゃーー!!



みつに見られた!!



でも…



「どっちも♡」



沙良ちゃんもオムハヤシも両方食べたい…


俺って いやらしいーー きゃーー!!



「素直なお前らしくていいわ」



みつにくすくす笑われた。



「森ちゃん先輩!!」



へ?




ドキッ!!




やば!!今の聞かれた!?



「どう?」



え?



どう??何が??



「美味いよ、すげぇ美味い」


「みつ先輩ありがとーー!!きゃーー!!」



あ!!オムハヤシ!!



慌てて大きな口でパクついた。




もぐもぐ…




「あ… すげぇ… うま!!」


「きゃーー!!やったぁ!!ありがとうございます!!」



あ…




俺に笑ってくれた。




嬉しい…




やっぱり 俺は君が好き。




一目惚れだけど こんなに好きになってる。





だから… 守るよ、君のこと。





心に再度決意した 数分後 アイツが来店した。





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