ようこそ!!青蘭高校へ!!
◆ 太輔・side ◆


夕方…




店が忙しくなる頃。




ダダダダダッ…





足音… ?





「何?誰?」




「藤崎!!見て!!」




!!!!





さ… 沙良…




なんて鮮やかな黄色…



「ねぇ!!似合うでしょう!」




これ…



体育祭用の特攻服だ…



「ねぇ!藤崎ってば!!」



にこにこの嬉しそうな笑顔。



「似合うでしょうってば!!」




似合う…




黄色のメットもそうだけど、沙良は黄色が良く似合う。




まるで ひまわり…



眩しいくらいのひまわりの笑顔。




「なんか言ってよ~!せっかく着て帰ってきたのに~!!」



俺の目の前を得意げな顔でくるくる回った。



「… ウザい。テレビが見えない」


「むっきーーー!!何よ~!!この勇ましい私をウザいですって~~!!」



うわっ!!



怒って向かってきた!!



「わ!逃げろ!!」


「こら!逃げるな!!撤回しろーー!!」




あはは!!




「ウザいものをウザいと言って 何が悪い~!」



テーブルを挟み、追いかけっこ。



やば!!なんか楽しい!!




「何だと~~!!待てーー!!」


「やだよ~!!」



増々ムキになって俺を追い回す沙良。




ドタドタドタ!!




「捕まえられるなら捕まえてみろ~!」


「にゃにおぅ~~!!」



!?



「沙良!気をつけ… 」


「え… ?ひゃ… !?」




ガッ!!




危ない!!




「沙良!!」




ドサッ…












「あ… ぶねぇ… 裾長いんだから気を付けろよ… 」



間一髪、腕を引っ張り自分に引き寄せた。



もう少しで 転んでケガするところだった… 



ケガをしなかったことにほっとした。





「うん、ごめん、ありがと… 」




助けた沙良が胸の中にいる…




俺の胸の中に…





「藤崎… ?」






ぎゅっ…






俺は、なぜか離せず そのまま抱きしめた。





< 48 / 72 >

この作品をシェア

pagetop