ようこそ!!青蘭高校へ!!
★ 裕介・side ★


廉耶の何とも言えない顔…




悔しいのか、悲しいのか…




それともこれは怒り?

















「アイツは、俺たちの中学の先輩なんす… 」




うん…



沙良ちゃんから聴いた…




「あの頃の神崎は、本当にヒーローのような先輩で… 」


「すげぇ かっこ良くて 俺らの憧れの先輩でした」




憧れ…










「でも、卒業してからは嫌な噂ばっか… 一つも良い噂はなかった… 」


「中でも… 」













「どうした?」


「いや… すみません… 俺もやっぱどこかでは沙良みたいに信じてる部分があるんです」









「神崎先輩はそんな人じゃないって… 」


「でも、地元で見る先輩はやっぱり酷くて… 知れば知るほど酷くて… 」








「何人もの人が先輩に傷つけられて… 泣かされた」


「男はまだいい方… 女子なんか飽きたらポイ… 」




ポイ…




「弄ぶだけ遊んで捨てる… 」


「そんな最低の人間に成り下がったんです… 神崎先輩は」




弄ぶ…




想像するに… あっちの話だよな、俺は経験ないけど。




「沙良から… 青蘭を受けるって聴いた時 嫌な予感がした」


「だから しつこく聴いた… 勉強嫌いなお前が何で?と… そしたら アイツ… 」










ん?




どした??




廉耶は、ブクブクと湯船に顔を沈めた。









1分以上潜って…




「おい、廉耶… 」



そろそろ ヤバくね… ?




ザバッ… !!




「かはっ!!… はぁはぁ… はぁはぁ… 」


「だ、大丈夫か?」




廉耶がゆっくり顔を上げ 俺を見た…



滴り落ちる水滴…




ちゃぷん…









「真っ赤な顔してさ… 神崎先輩が好きなのって… 」




か…




神崎が…




好き…




「今まで見たことない女の顔してさ… ムカついた」




昨日の嬉しそうな顔を思い出した。



神崎に笑うその笑顔は確かにムカついた…



俺に向けた笑顔じゃないから。




『 嬉しいです!!やったぁ~!! 』






ズキッ…











胸が痛い… ズキズキ痛い…




あ、そっか…




廉耶が苦しそう話すのは 同じように胸が痛いからだ…




好きだから痛い…




ね?そうだよね?廉耶…




君も沙良ちゃんのことを想ってるんだよね?




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