ようこそ!!青蘭高校へ!!
グイグイッ…




グイグイッ…




「ちょ… っと… 痛い… 離して」



藤崎に手を引かれ廊下を進んでいく…



それも結構な力を入れられ、すごい勢いで歩いてる。



「こっちだ」



ココどこよ…



あ、駐輪場だ…



「ほら」



へ?



駐輪場に着いた途端渡されたヘルメット。


目の前にはバイク…



「さっさと乗れ」



はぁ!?


乗る!?このバイクに!?



「嫌です!!」

「乗れ!!」



カチン☆!!



「嫌!!」



ヘルメットを押し付けながら返した。


くるりと方向転換して一目散で逃げる。



でも…




グイッ!!



「痛い!!離して!!」



腕を掴まれ引き戻された。



睨もうと上を見たんだけど…




ヒッ!!











「… いいから… 乗れ」



顔が怖い…



さらに鋭くなってる…





ギシッ…





「家は… 10分くらいか… 」



名簿見てる…



「商店街か… なるほど… 」



住所でわかるわけ??



「よし、行くぞ、しっかり掴まってろ」



!?




ブオンとエンジンをかけ 一気に走り出した!!

体験したことのない風と振動、揺れが体を硬直させる。



「怖い… こわ… 」



やだぁ…



怖いよ~~…



おまけに私のヘルメットが藤崎のヘルメットに当たってガンガンする~~!!










10分後…




自宅兼、店に到着…




「降りろ」










「おい」




へ?





グラッ…





「ひゃ… 」


「あぶなっ!!」




ガシッ!!




!?




「ひゃぁ~~!!」


「な??」



ドン!!



「て!!何だよ!!」



何だよって!って!!



だって!



だって!!



間近で見たんだもん!!



コイツってば…




コイツってば!!




綺麗な顔なんだもん…




抱きしめられた腕だって…








ドキドキ…





ドキドキ…





もーーー!!




私ってば!!何 ドキドキしてるのよ!!




「おい、ここでいいよな?」



え?



「店」









「うん… 」



藤崎が我が家を見上げていた。



青空の中、2人で店を見つめた。



はぁ~…




ここまで来たら仕方がない。




「入れば?どうぞ?」



店の引き戸を開け、藤崎を招き入れた。



「ただいま~!お母さ~ん!!」



ひょっこり顔を出したお母さん。



芦田 洋子。




「おかえり!良いところに帰って来たわ!手伝って」



え?



「大口注文が30個入ったの」



うわっ!!これから店も忙しくなっていくのに30個って!!



「わかった!急いで着替えてくる!」



急いで着替え厨房に入った。


中では、パートの香さんがテキパキと準備をしていた。


3人で手分けしておかずを定位置に詰めていく。


その間も次々にお客様が来店。


連係プレーで3人でこなしていく。



「何とか7時までには間に合いそうね。ありがと、2人とも」


「えへへへっ!どおってことないよ、これくらい♪」



香さんと笑い合った。



30食分をケースに入れ…



「じゃあ 配達行ってくるからお店お願い!」

「うん!行ってらっしゃい!!」


お母さんは元気よく配達へ。


入れ違うように一人のお客様が来店。



「沙良~!俺、オムハヤシー!」



あ!源蔵さん♪



「はーい!!今 作るね~♪」



いつものように手早く作る。



くるくるくるくる…



綺麗にふんわりオムレツ。



「ケチャップライスの上に… で、… 乗っけて~… 」



スッとナイフを入れるとトロリと覆いかぶさる。



「ひゃ~!今日も完璧♪あとは、デミをかけて~♪はい!出来上がり!!」


「はい!!香さん!源蔵さんの出来たよ~♪」



カタンとスープとオムハヤシを置いた。



「次のオーダーは… 」


「ねぇねぇ、沙良ちゃん あそこにいるお客様かっこいいと思わない?」



かっこいい人??








!!!!!!!!!!!



わ…




忘れてた… 藤崎…




慌てて厨房から出て藤崎の元へ。




「あの~… 」



怒ってるよね…



ほったらかし…



「ああ?一息ついたか?」




え?




あれ?怒ってない?




「はい、あとお客様お一人なので… でも、まだ母は配達に行ってて… 当分帰ってきませんよ?」



30分はかかると思う。



「いいよ、待つ。それより 俺もあの人と同じの食べたいんだけど」



へ?




私のオムハヤシを??




「かしこまりました… お待ちください」




同じ手際でオムハヤシを作った。




藤崎は美味しそうに食べていた。






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