ようこそ!!青蘭高校へ!!












「沙良、お布団敷くの手伝って。2階から下ろしてちょうだい」



お布団…



「はーい… 」



部屋を出ると隣の部屋へ。


ひと組ずつ下の階へ藤崎たちの布団を下ろす。



「よいしょっと… 」



ドサッ…



「ふぅ… これでいいかな?」



4組分の布団を敷いた。



8畳二間続きの16畳の仏間。



滅多に入らない部屋。



ここが2週間 藤崎の部屋になる。



「ご苦労様」



あ、お母さん。



「ちょっとした修学旅行ね」



そうだね…



「太輔君、みつ君いいわよ」



お母さんが呼ぶと2人がキョロキョロしながら入ってきた。


森ちゃん先輩と廉耶はまだお風呂。



「広… 」



みつ先輩が布団を通りこし、奥の部屋へ。



「太輔君、今日からココがあなたのお部屋ね。1人じゃちょっと広すぎるけど我慢してね」



狭いよりはいいでしょうが!!



「はい、ありがとうございます」



藤崎はボストンバックを部屋の隅へ置いた。



はぁ~… 本当に住むんだ…



廉耶以外の男の子となんて…




「じゃあ、私はもう寝るわね」



お母さんの朝は早い、市場に買い出しに行くから。



「うん、オヤスミ」

「はい、おやすみなさい」



藤崎とみつ先輩もぺこりと挨拶。



「あ、太輔君」



ん?



「明日は病院だからね」


「… はい」



お母さんは藤崎に笑いかけると部屋へ入って行った。


藤崎は、お母さんの入って行った部屋をじっと見つめていた。




何だろ…




切なそうな瞳…









「大丈夫?藤崎?」



「はっ!!」



私の問いかけにハッとした藤崎。



「な、何でもない!!」



藤崎は、慌てて仏間に入って行った。




そして パタンと閉められてしまった…











「変な奴… ま、いっか」



再び、リビングのソファーに座り お風呂待ち。



「ふぁぁ~… まだかなぁ~… 」



廉耶たち長いなぁ~…




退屈~…




「んーーーーー!!」




思いっきり背伸び!気持ちいいーー!!




「腹、見えてるぞ」




へ?




「はは… すげぇな」



なっ!?




なっ!?




うぎゃーーー!!みつ先輩!!




ひゃーー!!




「あははは… 寝たんじゃないんですか?」




お腹見られた!!恥ずかしい!!



慌てて服を直して立ち上がった。




「アホ、こんな時間に寝れるか」







「で、ですね… 」




もう11時なんだけどな…



まぁ、我が家は食堂をやってる為 夜は早いんだけどね。




「喉乾いてさ、お茶かなんかある?」


「はい!お茶ですね!少々お待ちを!!」




そそくさとキッチンに向かい冷蔵庫へ。




コポコポコポ…










コトン。




「はい、どうぞ… 」


「さんきゅ」




冷たい麦茶を出した。




美味しそうにゴクゴク飲むみつ先輩。




そんな姿をぽ~っと眺めていたら 黒いモノが視界に入った。




そう…




私が大っ嫌いな奴の姿だ!!!



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