ようこそ!!青蘭高校へ!!
☆ 廉耶・side ☆


忘れさせてくれる子を… 俺は探してる。



沙良より好きになれる女を…




「じゃあさ… 」




ん?




まだ 何か?




「なんすか?」










???





「先輩?」




無言な先輩が気になり、顔をそっちに向けた。



すると… なぜか顔が真っ赤?




「どうしたんすか?」



「したことある?」




は?




「あれ」




… 何を聴きたいんすか…



この先輩は… まったく。




「あ~… … ないですよ」




聴いたらショック受けるくせに。



「わー!あるんだ!!」



うるさいなぁ…



「寝ます、オヤスミなさい」




ピシャリと会話を切って毛布をかぶった。




「なんだよ… ぶぅ… チェッ つまんねぇの」




まったく… 詮索好きなんだな、森先輩は。



布団の中で小さく溜め息をついた。




あれ… か…




『 経験 』はある。



それも最近。




沙良が神崎 翔輝を好きだと聞かされた時… 自棄になった。



自分には向けられないあの笑顔にどうでもよくなったんだよな…



まぁ、相手も遊び半分だったから 後腐れないんだけどな。



でも… その後ろめたさに余計 沙良と向き合う資格がなくなった。



あの時…




間違わずに俺の手元にあの手紙が来ていたら何か変わっていたかな?




俺の側で笑っていたかな?









いや、たぶん いない…




沙良の赤い糸は俺には繋がっていない…




森先輩でも…




みつ先輩でもない。




沙良の赤い糸は…





『 藤崎!美味しい? 』





藤先輩だと思う。




俺が好きな笑顔は藤先輩に向けられている…




悔しいけど… 藤先輩に太陽のように笑う。




あの笑顔を見た時… 俺じゃないんだなって感じた。




赤い糸…









はぁ… もう寝よう。




考えたくない…




俺は、目を閉じ ゆっくり意識を手放した。



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