愛しの残念眼鏡王子
都会から離れた場所にある小さな田舎町に越してきたのは、つい三ヶ月前。
この町に古くからある、小さな駄菓子の製造会社に勤め始めて早三ヶ月。
駄菓子なんて昔のお菓子……と思われがちだけど、意外と今もなお需要があったりする。
従業員数三十人の本当に小さな会社で、事務員は私と四十代のベテラン、松田さんのふたりだけ。
副社長は社長の奥さまが務めており、専務は息子とまさに家族経営。
従業員全員仲が良く、まるで家族みたいな間柄。
傍から見れば、和気あいあいとしていて理想の職場だと思われがちだけど……都会の企業に勤めていた私からしたら、戸惑うことばかりだったりする。
今年で二十八歳、立派なアラサー世代の私でも、ここでは一番年下。
そのせいか色々と可愛がってもらえたりするわけだけど、たまに困ることがある。
「……あ、そろそろお茶の時間ね」
松田さんの声に手を休め時計を見ると、あと十分で十五時になろうとしていた。
この町に古くからある、小さな駄菓子の製造会社に勤め始めて早三ヶ月。
駄菓子なんて昔のお菓子……と思われがちだけど、意外と今もなお需要があったりする。
従業員数三十人の本当に小さな会社で、事務員は私と四十代のベテラン、松田さんのふたりだけ。
副社長は社長の奥さまが務めており、専務は息子とまさに家族経営。
従業員全員仲が良く、まるで家族みたいな間柄。
傍から見れば、和気あいあいとしていて理想の職場だと思われがちだけど……都会の企業に勤めていた私からしたら、戸惑うことばかりだったりする。
今年で二十八歳、立派なアラサー世代の私でも、ここでは一番年下。
そのせいか色々と可愛がってもらえたりするわけだけど、たまに困ることがある。
「……あ、そろそろお茶の時間ね」
松田さんの声に手を休め時計を見ると、あと十分で十五時になろうとしていた。