愛しの残念眼鏡王子
部長に縁談話を持ち掛けられ、断ることが出来なかった。
それにいざ私と暮らしてみると、あまりに価値観が違いすぎて、これから先も一緒に生活していくことを、考えられないと。
はっきりと『もう好きじゃない』とまで、言われてしまったのだ。
ショックでまるで夢の世界にいるみたいで、現実感がなかったけれど、思い返してみれば予兆はあった。
一緒に暮らしていても、顔を合わせる回数が減っていったし、最初は優しくて沢山笑顔を見せてくれていたのに、次第にその回数は減っていって……。
愛情を感じることも、少なくなっていった。
この一年で嫌になるほど実感していたのかもしれない。……けれどそれを認めたくなかっただけ。
認めてしまったら、こうなることが分かっていたからかもしれない。
それからはあっという間だった。
彼は部長の娘さんとの縁談話を順調に進めていった。
私との同棲は解消。
彼は自分の必要最低限の荷物だけを持って、去っていった。
ひとり暮らしするには広すぎる部屋。ひとりでは払い続けるのが困難な家賃。
私も一年以上住んだ部屋から、出ていく道しかなかった。
それにいざ私と暮らしてみると、あまりに価値観が違いすぎて、これから先も一緒に生活していくことを、考えられないと。
はっきりと『もう好きじゃない』とまで、言われてしまったのだ。
ショックでまるで夢の世界にいるみたいで、現実感がなかったけれど、思い返してみれば予兆はあった。
一緒に暮らしていても、顔を合わせる回数が減っていったし、最初は優しくて沢山笑顔を見せてくれていたのに、次第にその回数は減っていって……。
愛情を感じることも、少なくなっていった。
この一年で嫌になるほど実感していたのかもしれない。……けれどそれを認めたくなかっただけ。
認めてしまったら、こうなることが分かっていたからかもしれない。
それからはあっという間だった。
彼は部長の娘さんとの縁談話を順調に進めていった。
私との同棲は解消。
彼は自分の必要最低限の荷物だけを持って、去っていった。
ひとり暮らしするには広すぎる部屋。ひとりでは払い続けるのが困難な家賃。
私も一年以上住んだ部屋から、出ていく道しかなかった。