愛しの残念眼鏡王子
うっ……嫌だな。どうしてここで胸キュンしちゃうかな。
必死に平静を装い、「そうですね」と相槌を打つと、専務はまた「香川さんもほら」と促してきた。
どうやら専務は私に、自分と同じように芝生の上に寝転がって欲しいようだ。
でも今は勤務中。
しかも芝生の上に寝転がったら、絶対服が汚れてそれが証拠になって、会社に戻ったらみんなにバレてしまいそうだ。けれど――。
目を輝かせて私を見つめる専務。
そんな瞳を向けられてしまうと、うずうずしてきてしまう。
私だって何度もこんな天気が良い日に、専務みたいに寝転がってみたいと思ったことか。
どうしようか悩んでいると、専務は空を見上げたままクスリと笑った。
「香川さん今、仕事中なのにこんなことしていても大丈夫かなって思っているでしょ?」
「えっ?」
言い当てられ、いつもより声が大きくなってしまうと、専務はますますクスクスと笑い出した。
「やっぱりそうなんだ? だよね、普通はそう思うよね。……俺もこっちに来たばかりの頃はそうだった」
必死に平静を装い、「そうですね」と相槌を打つと、専務はまた「香川さんもほら」と促してきた。
どうやら専務は私に、自分と同じように芝生の上に寝転がって欲しいようだ。
でも今は勤務中。
しかも芝生の上に寝転がったら、絶対服が汚れてそれが証拠になって、会社に戻ったらみんなにバレてしまいそうだ。けれど――。
目を輝かせて私を見つめる専務。
そんな瞳を向けられてしまうと、うずうずしてきてしまう。
私だって何度もこんな天気が良い日に、専務みたいに寝転がってみたいと思ったことか。
どうしようか悩んでいると、専務は空を見上げたままクスリと笑った。
「香川さん今、仕事中なのにこんなことしていても大丈夫かなって思っているでしょ?」
「えっ?」
言い当てられ、いつもより声が大きくなってしまうと、専務はますますクスクスと笑い出した。
「やっぱりそうなんだ? だよね、普通はそう思うよね。……俺もこっちに来たばかりの頃はそうだった」