愛しの残念眼鏡王子
胸元に手を当てると、心臓は驚くほど速く脈打っていた。


専務のあんな反応や顔を見せられてしまったら、嫌でも期待しちゃうじゃない。

もしかしたら専務も、少しは私のことを女として意識してくれているのかもしれないって。


両手を頬に当てると、驚くほど熱くてびっくりした。


恋なんて、もう二度としない。

あんな辛い思いなんて、したくない。

そう、思っていたんだけどな。


今度こそ私は、幸せな恋ができると信じてもいいかな?


専務となら、終わることのない幸せな日々を送っていけると信じてもいい?


芽生えた恋心に、期待は膨らむばかりだった。
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