愛しの残念眼鏡王子
考えたらキリがない。
とにかく探すんだ。そんな遠くには行っていないはずだから。


上がったままの息。
けれど自分を奮い立たせ、再びユウを探して走り出した。


どれくらいの時間、ユウを探して走り回っただろうか。

次第に苦しいほど息は上がってしまい、足もふらついていく。

早くユウを見つけないといけないのに、身体が言うことを聞いてくれない。



無我夢中で探し回って、気づけばあの河川敷に来ていた。

ここには何度もユウと一緒に来ていたけど、やはり見当たらない。

「どこいっちゃったの……?」


膝に手を当て、肩を上下に揺らしながら必死に呼吸を整えていく。

すぐには呼吸は落ち着いてくれないけど、でも早く探しに行かないと。

時間が経てば経つほど、ユウを見つけることが困難になってしまうもの。


けれど気持ちとは裏腹に、足元はふらついてしまう。

ずっと走りっぱなしだったからだろうか。

異様に喉が渇いて仕方ない。――でも、ユウを早く見つけないと。


もう一度大きく深呼吸をし、一歩踏み出したけれどまたふらついてしまう。


「あっ……」

踏ん張ろうとしても踏ん張れず、身体はそのままバランスを崩していったその時だった。
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