愛しの残念眼鏡王子
さっきまであんなに不安だったのに、専務が言ってくれた『絶対大丈夫』の言葉が、不安をかき消していく。

そうだよね、ユウならきっと大丈夫。


専務も一緒に探してくれているって思うだけで、ユウと無事に会える気がしてしまうから不思議だ。

なんの根拠もないのに、そう思えてしまうのだから。

けれどその後も探しても、ユウを見つけることができずにいた。


一度足を止めスマホを確認しても、専務からも連絡がない。

消えかけていたけれど、再び不安な気持ちが襲ってくる。

時間が経てば経つほど、焦りを感じずにはいられない。


数回大きく深呼吸をしてもう一度探していない場所や、よく散歩で行っていた場所を探しに行こうとした時だった。

専務からユウが見つかったって電話が入ったのは。



「ユウッ!!」

「ワンッ!」

専務に聞いた場所へ急いで向かうと、見えてきたふたつのシルエット。

ユウは私の姿を確認すると、嬉しそうに尻尾を振って一目散に駆け寄ってきた。
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