愛しの残念眼鏡王子
「たまたまでも、私にとって専務はヒーローなんです。……言いましたよね? 専務は自分のこと低評価すぎますって。そんな専務のことが好きな私は、どうしたらいいんですか?」
問いかけると、専務は余程想定外なことだったのか、よろめき尻餅をついた。
それでも視線は私から逸らすことなく、ガン見されたまま。
予想通りの反応に苦笑いしてしまう。
やっぱり専務は私が自分のことを好きだなんて、これっぽっちも思っていなかったんだろうな。
だからこそしっかり伝えたい。
しゃがみ込んだまま彼に一歩近づく。
「私……東京で四年近く付き合っていた恋人がいたんです。結婚を前提に付き合っていて、同棲までして。……けれどあっさり振られちゃいました」
「――え」
専務は地面に座り込んだまま、目を見開いた。
「上司の娘さんとの縁談話が持ち上がったんです。それに一緒に暮らし始めてお互い価値観の違いに気づき始めて。……今思えば、結婚する前に分かってお互いよかったのかもしれません」
辛くて悲しかったけれど、彼との同棲がなければユウと出会うことができなかったから。
問いかけると、専務は余程想定外なことだったのか、よろめき尻餅をついた。
それでも視線は私から逸らすことなく、ガン見されたまま。
予想通りの反応に苦笑いしてしまう。
やっぱり専務は私が自分のことを好きだなんて、これっぽっちも思っていなかったんだろうな。
だからこそしっかり伝えたい。
しゃがみ込んだまま彼に一歩近づく。
「私……東京で四年近く付き合っていた恋人がいたんです。結婚を前提に付き合っていて、同棲までして。……けれどあっさり振られちゃいました」
「――え」
専務は地面に座り込んだまま、目を見開いた。
「上司の娘さんとの縁談話が持ち上がったんです。それに一緒に暮らし始めてお互い価値観の違いに気づき始めて。……今思えば、結婚する前に分かってお互いよかったのかもしれません」
辛くて悲しかったけれど、彼との同棲がなければユウと出会うことができなかったから。