3ヶ月だけのママ~友達が妊娠した17才の夏~
第16話「心友」
啓子と俊輔くんの関係をズルイと言った千奈美が、啓子に夏樹くんと再び話すきっかけをもらった。
そのことについて、千奈美はなにを思ったんだろう。
「ごめん、待った?」
私はファミリーレストランで待ち合わせをしていた。
「ちょっとねー」
先に来ていた相手が振り返り、私に笑いかける。
終業式で会ったきりだった啓子。
千奈美との電話を切った後、私は啓子に会いたいとメールを送っていた。
「ごめんね、私が呼び出したのに遅くなっちゃって」
「ううんー、別にいいよぉ」
私が席に着くと、店員が注文を取りにやって来た。
啓子はアイスパフェを食べている。
「えっーと……チャイティーラテ一つ」
なにも頼まないのも居心地が悪いので、飲み物だけを頼む。
店員はかしこまりましたと去っていった。
「ねえ、啓子」
「なに~」
アイスをスプーンですくって美味しそうに食べている啓子に、さっそく切り出す。
「夏樹くんに千奈美のこと話したのって……啓子?」
それを確かめるために、私は啓子を呼び出していた。
「ああー、もうバレちゃったんだ~」
啓子は否定する気はないみたいで、あっさりと頷く。
「うん、そうだよ~。だって、知らんぷりのままとかムカつくじゃん」
昨日の電話が嘘みたいに、啓子は普段どおりのへにゃっとした笑顔で応じている。
でも、私は啓子の目が赤いことに気がついていた。
私に会うからって慌てて冷やしても、すぐには治らない。
電話の後もずっと一人で泣いてたのかな?
それとも、俊輔くんが側にいてくれたのかな?
そうだといいのに。
「千奈美、勝手なことして怒ってるよねー」
でも、千奈美の名前を口にしたときはちょっとアンニュイな表情。
「まさか! そんなことない、喜んでたよ。夏樹くんと、ちゃんと話し合えるみたいだし」
「そっかぁ、よかったね~」
そう言う啓子は、本当に心からよかったと思ってるみたい。
そう見えた。
やっぱり啓子は啓子のまま、千奈美と私の親友の啓子のままだった。
「千奈美、夏樹くんとあんなことになっちゃったから、啓子と俊輔くんに嫉妬してたみたい。だから啓子にも酷いこと言って……」
だったら、私は啓子と千奈美にちゃんと仲直りして欲しい。
啓子も千奈美も、相手も思う気持ちに変わりはないんだから。
「でも、千奈美も啓子に酷いこと言ったって後悔してる。悪かったって、謝りたいって思ってる」
そのきっかけになれたらいい。
「だから、さ」
私が仲直りをうながしても、啓子はパフェを食べる手を止めて俯いてばかりいた。
そのことについて、千奈美はなにを思ったんだろう。
「ごめん、待った?」
私はファミリーレストランで待ち合わせをしていた。
「ちょっとねー」
先に来ていた相手が振り返り、私に笑いかける。
終業式で会ったきりだった啓子。
千奈美との電話を切った後、私は啓子に会いたいとメールを送っていた。
「ごめんね、私が呼び出したのに遅くなっちゃって」
「ううんー、別にいいよぉ」
私が席に着くと、店員が注文を取りにやって来た。
啓子はアイスパフェを食べている。
「えっーと……チャイティーラテ一つ」
なにも頼まないのも居心地が悪いので、飲み物だけを頼む。
店員はかしこまりましたと去っていった。
「ねえ、啓子」
「なに~」
アイスをスプーンですくって美味しそうに食べている啓子に、さっそく切り出す。
「夏樹くんに千奈美のこと話したのって……啓子?」
それを確かめるために、私は啓子を呼び出していた。
「ああー、もうバレちゃったんだ~」
啓子は否定する気はないみたいで、あっさりと頷く。
「うん、そうだよ~。だって、知らんぷりのままとかムカつくじゃん」
昨日の電話が嘘みたいに、啓子は普段どおりのへにゃっとした笑顔で応じている。
でも、私は啓子の目が赤いことに気がついていた。
私に会うからって慌てて冷やしても、すぐには治らない。
電話の後もずっと一人で泣いてたのかな?
それとも、俊輔くんが側にいてくれたのかな?
そうだといいのに。
「千奈美、勝手なことして怒ってるよねー」
でも、千奈美の名前を口にしたときはちょっとアンニュイな表情。
「まさか! そんなことない、喜んでたよ。夏樹くんと、ちゃんと話し合えるみたいだし」
「そっかぁ、よかったね~」
そう言う啓子は、本当に心からよかったと思ってるみたい。
そう見えた。
やっぱり啓子は啓子のまま、千奈美と私の親友の啓子のままだった。
「千奈美、夏樹くんとあんなことになっちゃったから、啓子と俊輔くんに嫉妬してたみたい。だから啓子にも酷いこと言って……」
だったら、私は啓子と千奈美にちゃんと仲直りして欲しい。
啓子も千奈美も、相手も思う気持ちに変わりはないんだから。
「でも、千奈美も啓子に酷いこと言ったって後悔してる。悪かったって、謝りたいって思ってる」
そのきっかけになれたらいい。
「だから、さ」
私が仲直りをうながしても、啓子はパフェを食べる手を止めて俯いてばかりいた。