料理音痴
隣で寝ててくれれば誰か確認のしようもあるのに、もうすでに起きてるのか
も抜けのからで。

とりあえず、その辺に散らばってる自分の服を着て、寝室を出た。

「あ。……おはよ」

「……」
 
誰もいなかったら、そのまま帰ってしらばっくれてやろうと思ったのに、キッチンに立っていた坂下と目が合った。

……ここ、坂下の部屋なんだ。
いやいや、そんなことじゃなくて。

なにかいって欲しいところなのに、坂下はなにもいわない。
コンロの方に向き直ると調理を再開した。

……いい匂い。
お味噌汁、かな。

さっさと帰ってしまえばいいのに、なぜかその匂いに後ろ髪を引かれて
帰ることができなかった。

間抜けにもつったまま、坂下が料理してるのを見てた。

手際よく、坂下はテーブルの上に料理を並べていく。

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