神様の使い
一 言い伝え
ある村の山奥にそびえたつ神社。
今現在も村人に信仰され
一月に一度、巫女の舞が見られる。
そして神社には、こう言い伝えがあった。
────満月の夜、右脚に牡丹の痣をつけ生まれし赤子。
神の血を受け継ぎ
生まれながら神力、霊力を兼ね備える。
赤い満月の夜、
神の使いが迎えにあがるであろう──・・・・。
私の名前は月影瑞希。
この月影神社の巫女をしている。
父も母も早くに亡くなり、
私は祖母に育ててもらった。
そんな祖母も今はおらず、
月影神社には私が一人住んでいる。
祖母が亡くなったのは、私が18の頃
今から2年前の話。
私に神社の言い伝えを教えてから
祖母は静かに息を引き取った。
「おばあちゃん・・・私が言い伝えの巫女、とか言ってたっけ」
姿見を前に巫女服に着替えながら
そう呟いた。
確かに、私は満月の夜に生まれ
右脚には牡丹のような痣がある。
「まあ、偶然満月の夜に生まれて、痣がたまたま牡丹に似ているってだけの話でしょ」
そう考えている私は、巫女服を身に纏うと
いつも通り箒を持って社務所から出た。
今現在も村人に信仰され
一月に一度、巫女の舞が見られる。
そして神社には、こう言い伝えがあった。
────満月の夜、右脚に牡丹の痣をつけ生まれし赤子。
神の血を受け継ぎ
生まれながら神力、霊力を兼ね備える。
赤い満月の夜、
神の使いが迎えにあがるであろう──・・・・。
私の名前は月影瑞希。
この月影神社の巫女をしている。
父も母も早くに亡くなり、
私は祖母に育ててもらった。
そんな祖母も今はおらず、
月影神社には私が一人住んでいる。
祖母が亡くなったのは、私が18の頃
今から2年前の話。
私に神社の言い伝えを教えてから
祖母は静かに息を引き取った。
「おばあちゃん・・・私が言い伝えの巫女、とか言ってたっけ」
姿見を前に巫女服に着替えながら
そう呟いた。
確かに、私は満月の夜に生まれ
右脚には牡丹のような痣がある。
「まあ、偶然満月の夜に生まれて、痣がたまたま牡丹に似ているってだけの話でしょ」
そう考えている私は、巫女服を身に纏うと
いつも通り箒を持って社務所から出た。