つなぎたいから
フロアの外にある給湯室へ向かった。
気分転換を兼ねてマグカップを洗う。
「すげぇため息」
あきれたような声。
振り向くと同期の不破くんがいた。
定時も過ぎており、不破くんはネクタイを弛めすっかりオフモード。
あたしはポケットからハンカチを取り出して手を拭いた。
通路を並んで歩く。
不破くんは喫煙スペースから戻ってきたのだろう、タバコのニオイがした。
「帰るのか」
「ううん、まだ。来月からのイベントのチラシが出来てなくて。不破くんは?」
「オレもまだ」
そう言って不破くんもため息をついた。
「ため息」
さっき言われたことを同じように指摘すると、「忙しいんだよ」と自分のことは棚上げにされた。
営業側のフロアをチラッと覗くと、こっちも人がまばら。
「ほどほどにな」
「不破くんも」
お互いに顔を見合わせる。
不破くんがフッと笑った。
気分転換を兼ねてマグカップを洗う。
「すげぇため息」
あきれたような声。
振り向くと同期の不破くんがいた。
定時も過ぎており、不破くんはネクタイを弛めすっかりオフモード。
あたしはポケットからハンカチを取り出して手を拭いた。
通路を並んで歩く。
不破くんは喫煙スペースから戻ってきたのだろう、タバコのニオイがした。
「帰るのか」
「ううん、まだ。来月からのイベントのチラシが出来てなくて。不破くんは?」
「オレもまだ」
そう言って不破くんもため息をついた。
「ため息」
さっき言われたことを同じように指摘すると、「忙しいんだよ」と自分のことは棚上げにされた。
営業側のフロアをチラッと覗くと、こっちも人がまばら。
「ほどほどにな」
「不破くんも」
お互いに顔を見合わせる。
不破くんがフッと笑った。