イジワルな彼とネガティブ彼女
出会ってしまった
あの日。


北風の冷たい、12月初めの金曜日の早朝。


私は不覚にも、大事なプレゼン資料をデータごと会社に忘れるっていう失態を犯し、チャリで爆走していた。


会社から5km圏内に住めば家賃補助してくれるから、こんな都心に住んでいられるんだけど。


会社に寄って、資料を取って、そのまま一度自宅に帰ってから着替えて、直行すれば余裕で間に合うはず。


頭の中でシュミレーションしながら、チャリをガシガシこぎまくる。


あー、やっぱり電動買おうかな。


マスクしてくるの忘れたから、顔だけ異常に寒い。


スウェット上下にマフラーぐるぐる巻いて、ダウンを着こんでチャリに乗る私は、端からみたらすごく痛いオンナだろう。



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