イジワルな彼とネガティブ彼女
「おかえりなさい、遅かったわね」


「おかえり、仕事大変だったのか?」


両親は、寝ずに待っていてくれた。


「ただいま、遅くなってごめんなさい。


残業だったから」


「夕飯は食べたってメールに書いてあったけど、何かつまむ?」


「ううん、お風呂入ってビール飲んで寝るよ」


「じゃ、おつまみ用意しとくわね」


本当は、夕食を済ませていなかった。


いろいろ悩んでいて、あまり食欲がなかったからだ。


仕事の悩みがほとんどだけど、本田さんの影がチラついていたから。



翌朝起きたら、もう10時を過ぎていた。


「おはよう」


「おはよう、疲れは取れた?」


「うん、まあね」


「朝ごはん食べるでしょ?」


「うん、ありがとう」


朝食を食べながら、年賀状の希望を聞いてパソコンを開く。


両親には悪いけど、やることやったら早く帰りたかったから。




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