イジワルな彼とネガティブ彼女
どうしよう。


プレゼント買ったの、バレてる。


しかも、ふたつあるし。


「あの小さいのは・・・たぶん、彼氏あての財布か名刺入れだな。


で、大きい方が俺ので、そうだな・・・シャツとネクタイってとこかな。


どう、当たってるだろ」


・・・はいはい、当たってますよ。


「すみませんね、浅はかな考えしかなくて」


「嬉しいんだけどさ、たしか昔話だと、小さいつづらを選んだ方がよかったんじゃなかったっけ?」


・・・あなたは、どっちでもいいんじゃない?


ベッドから起き上がり、本田さんのために買ったプレゼントの紙袋を手に取った。


「もう、だいぶ良くなりました。


ありがとうございました。


これ、治療費をお支払いいただいたお礼です」


本田さんに渡すと、あっさり受け取った。


そして、その場で包装をほどいていく。


シャツとネクタイを見て、


「おっ、いいじゃん。


おまえ、センスいいな」


そうやって笑いながら、私をまっすぐみつめる視線が痛くて、目をそらした。









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