イジワルな彼とネガティブ彼女
食器は洗うって言ったのに、


「いいから寝とけ」


と突き放され、またベッドに横になった。


もういい加減、寝るのに飽きちゃったよ。


普段なら、時間を気にせず眠りたいって思っているのに。



「コーヒー飲むか」


「いただきます」


狭いテーブルで向かい合って座るのは、なんだか恥ずかしい。


「もう熱は下がったのか」


「はい、おかげさまで。


ありがとうございました、このお礼はいつかします」


「いつかって、いつ?」


「えっ?」


「そうだな、24日の夜あけとけよ。


それでお礼ってことにしとくよ」


「なんでそんなに24日にこだわるんですか?」


「イブは一人でさみしい、って顔に書いてあるから」


「一人じゃないです、翼くんがいますから」


「おまえと彼氏、うまくいくとは思えないけどな。


俺とおまえなら、気が合うと思うんだけど」


視線を外さず、まっすぐ届く言葉は、私をフリーズさせてしまった。






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