イジワルな彼とネガティブ彼女
心なしか、少し落ちこんでいるように見える足立くん。


イヤイヤついてきた荷物持ちなのに、ランチもなしかよーって、ガッカリしてるってこと?


でも、今日の私は、死んでもマスクは取れないから。


「足立くん、私が荷物持って帰るから、少し早いけどお昼食べてから帰社すれば?


ここは普段と違って、おいしそうなお店もありそうだしね」


少し強引に荷物を奪い取り、足早に駅へ向かって歩き出した。


「えっ、あの、高橋さん?」


足立くんの声が追いかけてきたけど、無視して歩き続けた。


部長への言い訳を考えながら。






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