イジワルな彼とネガティブ彼女
越えてしまった
自宅待機中の木曜まで、翼くんからは何の連絡もなかった。


美和から報告書のように、


『今日は足立くん、残業してた』


『会社近くのコンビニでみかけたけど、同期と楽しそうにしゃべってた』


何かしら連絡があった。


本田さんは、火曜日の夜また突然やってきて、


「これ、一緒に食おうと思ってさ」


なぜか、タイ焼きを持ってきた。


でもそれは、並ばないと買えない有名店のもので。


「本田さん、これ並んで買ってくれたんですか?」


「うるせー、早く食えよ」


日本茶を入れて、二人で我が家のダイニングテーブルで食べた。


「もうすっかり良くなったんだな」


「そうですよ、もう薬飲んでから48時間たちましたから、ご心配いただかなくても平気です」


「なんだよ、せっかく来てやってるのに」


「でも、本田さんも年末は特に忙しいでしょうから」



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