イジワルな彼とネガティブ彼女
「なに笑ってんだよ」


「べつに、なんでもありません」


「あんなことすんの、今日だけだからな」


照れてる横顔に、ドキドキしていた。


「久しぶりにお化粧して、ちゃんとした洋服着たから、なんか変な感じです」


「へーえ」


上から下までながめられて、急に恥ずかしくなって目を伏せた。


「いいじゃん」


褒められるような服装は、していない。


さんざん悩んだけど、買い物に行く時間もなかったし。


普段着るのも、会社へ着ていけることを優先して選んでいたから。


なんとなく、こういう時はスカートかな、と思って、唯一あった青系のツイードのワンピースにした。


「例のランキング1位になったから、メイクをどうしたらいいのかわからなくなっちゃいました」


これは、本当に困った。


実際、テクニックはないし。


「似合ってるよ、おまえに」


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