イジワルな彼とネガティブ彼女
「ここ、2015だから。


部屋番号覚えとけよ」


「はい」


さっきから、『はい』しか言ってないし。


「どうぞ」


「お、おじゃまします」


パッと電気がついて明るくなったら、思わず、


「わぁーっ・・・」


とつぶやいてしまった。


・・・私の部屋の倍はあるよ。


リビングも窓も広くて、大きなソファーがあって、リビングの隣の引き戸を開けると寝室なんだろうな。


オープンキッチンは、私が寝られるほど広い。


「ま、テキトーに座って」


「は、はい」


ウロウロしてみたいけど、できない。


本田さんは、オーブンに入れたりフライパンを出したり、忙しそう。


「あ、あの、お手伝いできることありますか?」


「ない」


・・・そんなキッパリ言わなくても。


「10分待ってろ、仕込みは今朝しといたから」












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